風疹のワクチン接種

妊娠初期に女性が風疹に罹患すると、胎児に感染し、白内障や緑内障などの眼症状、先天性心疾患、感音性難聴などの症状を呈する先天性風疹症候群(CRS: congenital rubella syndrome)を引き起こすことがある。妊娠4~6週では100%、7~12週では80%、13~16週では45~50%、17~20週では6%の頻度で起こるとされている。去年は風疹が大流行し、31名ものCRSがみられた。

海外での先進諸国では見られない現象であり、ワクチン接種の重要性が示された出来事であった。昨年の風疹患者の6割以上が20~40才代の男性で、制度の違いでワクチン接種を受けていなかった。

CRSを予防するには抗体陰性や低抗体価の妊婦は、次回の妊娠のため分娩後できるだけ早期にワクチン接種が勧められている。また、これから妊娠を希望する女性は風疹の抗体価をチェックすることが必要となる。抗体価陰性であったり、低い場合は、妊娠前にワクチンを接種すべきである。ワクチン接種後2カ月の避妊を指導する。女性のみならず、男性もワクチン接種を受けることにより、風疹の流行は防止することができる。

朝日新聞1月15日

朝日新聞1月17日

(吉村 やすのり)

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