経済協力開発機構(OECD)によると、大卒女性の就業率が日本は諸外国に比べて低く、高学歴女性を生かしきれていません。日本の大卒女性就業率は74%で、OECD加盟35カ国中29位です。先進国の間でも低さが際立っています。男女格差も著しく、教育投資が経済活動に十分還元されておらず、社会的な損失は大きいものがあります。大卒女性の就業率が低いのは、仕事と生活の両立が難しく、結婚・出産での退職が多かったことに起因します。
女性総合職の離職を防ぎ、幹部候補として養成していくシステム作りが必要です。女性役員候補を育成するための研修会も大切です。女性活躍推進で多様な価値観を組織に入れると、企業の競争力は高まります。先進国は取り組みを急いでいますが、その遅れは日本企業がグローバル市場で戦う際にマイナスとなります。女性役員の養成とともに、年功序列から成果主義への転換など、労働市場の構造改革が必要です。
(2018年3月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)