レジオネラ菌は通常肺に感染し、風邪やインフルエンザ同様の症状を起こします。レジオネラ菌は、土壌、河川、湖沼などの自然界に広く分布しています。アメーバなどの原生動物に寄生し、20℃~50℃で増殖しますが、最適な温度は36℃前後です。給湯設備や空調の冷却塔、加湿器に侵入して増えます。水滴とともに吸い込むことで感染します。
衛生管理の不十分な入浴施設などで感染するレジオネラ症の患者が年々増えています。患者数は2009年から年々増え、2017年は10年前の2.5倍以上になっています。都道府県別では東京都が最も多く159人です。広島109人、愛知102人、神奈川101人、埼玉98人、大阪83人と続いています。増加の原因は高齢化が考えられています。2016年12月までの10年間に報告された患者数は計1万310人で、うち196人が死亡しています。患者の9割を50歳以上が占めており、高齢になるほど死亡率が高くなっています。
(2018年3月13日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)