AEDの使用

2009~2014年に全国で295件(年間50件前後)の心停止が起きていますが、定期的な心電図検査などで事前に危険が予想できる病気だったのは1割未満で、ほとんどは原因不明です。心停止が起きた場所は、校庭、体育館、プールが計66%で、運動中が65%を占めています。中学や高校では、授業中よりも部活動などの課外活動中の方が多くなっています。事故の大半は運動中に起き、倒れた児童生徒の半数以上が亡くなっていました。
心臓が急に止まってしまった時に使用するのが、AED(自動体外式除細動器)です。今や学校や駅などをはじめ、至る所に設置されています。しかし、学校で心停止が起こった場合、AEDが使用されたのは38%にとどまっていました。これまでの研究で、AEDを使うと、後遺症がなく復帰できる確率が約2倍に高まるとされています。しかし、学校に設置されていても使われず、心停止した生徒が亡くなった例が相次いでいます。急な心停止はいつどこでも起きます。普段の準備といざという時の対応でAEDを使用することにより、子ども達の命をもっとたくさん救えるはずです。

(2018年3月18日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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