ロボット手術

泌尿器科領域の前立腺がん手術には、手術用ロボットであるダビンチが応用されています。ダビンチの手術は、ロボットアームと呼ばれる腕に付けた内視鏡や器具を、患者の体に開けた穴から差し込みます。医師は手術台から離れた操作席で、画像を見ながら器具を遠隔操作します。従来の腹腔鏡手術に比べ、器具の先が手の指のように曲がり繊細な動きができるのが特長です。前立腺がんの手術はロボットが主流となっています。
前立腺の全摘手術は、難易度がかなり高い手術です。骨盤の奥深くで視野が狭く周囲に血管が集まる中で、尿道を膀胱から切り離しつなぎ直さなければなりません。2000年代には、お腹に開けた穴から器具を差し込んで行う腹腔鏡手術も実施されるようにはなりましたが、技術認定医の育成が進みませんでした。その点ロボット手術は、腹腔鏡手術により操作が簡便であるという利点があり、瞬く間に広がりました。ロボット手術は、保険適用から3年目の2014年に開腹手術を超え、2017年には前立腺がん手術全体の7、8割にあたる約1万6,000件近くに達しています。今年の4月には新たに婦人科領域のがんも含め、12の手術に拡大されています。

(2018年3月26日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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