特別養子縁組

特別養子縁組は、原則6歳未満の子どもが、裁判所の許可を得て、血縁のない夫婦と法律上の親子になる制度です。児童相談所や民間あっせん団体が仲介します。縁組の成立件数は、2005年~2012年は300件前後でしたが、民間団体の増加で、2016年は495件に増加しています。近年は約3割の縁組を民間団体が中心になって成立させています。国は虐待などで実の親と暮らせない子どもの受け皿として、特別養子縁組による家庭的な環境での養育を推進しています。成立件数を5年以内に倍増させ、年間1,000以上とする目標を掲げています。
養子縁組が進まない理由としては、65自治体と5団体が実親の同意が得られないと回答しています。縁組には原則として実親の同意が必要ですが、虐待など子どもの権利を著しく害する場合は同意が不要です。また児童相談所が、個人情報の保護などを理由に養親候補者の情報を共有しないことも理由の一つにあげられます。自治体によっては、人手不足やノウハウの不足も縁組が進まない理由として考えられます。質の高い縁組を進めるには、児童相談所と民間が情報を共有して仲介する仕組みが不可欠です。

(2018年3月29日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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