親との死別や虐待などの理由で親元で暮らせず、社会的養護が必要な子どもは全国で約4万5千人います。海外では里親や養親に育てられる子が多いのですが、日本では8割以上が乳児院や児童養護施設などで暮らしています。国は、戸籍上は家族にならずに子どもを養育する里親や、特別養子縁組の制度を周知させ、家庭的な環境で暮らせる子どもの割合を増やそうとしています。
特別養子縁組は、実父母が育てられない原則6歳未満の子どもを、子どもを育てたい別の夫婦が迎え、戸籍上も親子になる制度です。2017年の成立件数は616件でした。特別養子縁組を希望する場合は、児童相談所か民間団体に相談します。特別養子縁組を成立させるためには、家庭裁判所に縁組を申し立てをし、6ケ月以上の試験養育期間を経て認められます。予期せぬ妊娠などで悩む女性やカップルが妊娠中から児童相談所や民間のあっせん団体に相談し、出産後すぐに赤ちゃんを養親に託すこともあります。
(2018年4月19日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)