体内の免疫の攻撃力を高めるがん免疫薬を病巣だけで働かせる研究が進んでいます。名古屋大学と米国立衛生研究所(NIH)などは、体外から近赤外光をあてて、免疫の働きを促す薬の効果を高めることに動物実験で成功しました。国立がん研究センターは、がん免疫薬と抗体を併用して効果を高めています。
免疫細胞の働きを抑える制御性T細胞に付く抗体と近赤外光で、狙い撃ちにする手法です。色素を付けた抗体が近赤外光を受けると、この細胞を壊す働きが高まります。肺がんや大腸がんのマウスの実験で効果を確かめられています。
(2018年4月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)