現在わが国でも臨床研究として実施されている母体血による新型出生前遺伝学的検査について、新たな問題が指摘されている。米国の約130万人の調査によると、染色体異常が確定した3000人のうち新型検査で異常が発見できる割合は83%であることがわかった。つまり約2割は羊水検査などの確定診断をしないと見つけられないことになる。わが国でもすでに3000名以上の妊婦に実施されており、詳しいデータの解析ならびに情報開示が必要となるであろう。現在では21,18,13番の染色体の数の異常を検査しているが、検査法による検出率の差違などの医学的検討も重要である。
(2014年2月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)