配偶子の売買を考える―Ⅲ

わが国にも精子バンクがあるようである。実際に機能しているかどうかは真偽のほどは不明であるが、ネット上には非営利団体のバンクが存在する。精液を提供するドナーが機構に登録されており、ドナーは各種感染症や一部の癌遺伝子の検査を受けているとされている。提供された精子は、自分で注射器(シリンダー)を用いて腟内に注入する方法や病院での人工授精によって利用されることになる。精子の提供は無償であり、希望する女性はドナーと会うことができるそうである。

これらは数多くの重大な問題を孕んでいる。まず、安全性が問題となる。提供された精液を自分で注入する場合、腟炎、子宮内膜炎、卵管炎などの感染症を起こす危険があることである。これら感染症が起こると妊娠どころか不妊症になることもある。さらには、ドナーの感染症のチェックが十分にされているかどうかが問題となる。医師の証明がなされているとのことであるが、真偽のほどは不明である。

また、HIVはウィンドウピリオドがあり、感染していても検査が陽性にならない時期がある。そのため、AIDに用いるドナーはすべて安全性が確認された凍結精液しか用いていない。これらバンクでは凍結精液を用いていないため、精液の提供を受けた女性のみならず、生まれた子どもがHIVに感染する可能性も否定できない。

(日本精子バンク機構 HPより抜粋)

(吉村 やすのり)

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