心不全の管理

日本循環器学会と日本心不全学会は心不全の診療指針を改定しています。症状が出る前から出た後までA~Dの4段階に分けて示し、予防についての項目も加えています。ステージAとBは、心不全の症状が出る前のリスクがある段階です。ステージC、Dは心不全になった後で、Dは入退院を繰り返し、治療をしても改善しない状態をいいます。心不全予防の5カ条は、①塩分は1日6g未満、②禁煙、③1日30分のウォーキングを週3回など適度な運動、④血圧は最高140 mmHg、最低90 mmHg未満に維持、⑤急な体重の増減に注意することです。
心不全患者の7割は、75歳以上です。心不全で亡くなる人は年々増え、昨年は8万人を超えています。重くなると呼吸困難も出て心身の苦痛を伴うため、苦痛を和らげる緩和ケアが必要という認識が広まっています。苦痛を和らげるには、心不全への治療とともにモルヒネなど医療用麻薬も使います。心不全は症状の悪化と改善を繰り返し、少しずつ進行するため、いつから緩和ケアが必要なのかを見極めるのは簡単ではありません。高齢者の場合、糖尿病や肺炎、認知症などほかの病気も抱えていることも多く、それぞれの患者に合わせた対応が求められます。

(2018年10月3日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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