女性の四年制大学進学率

1980年代の女性の四年制大学進学率は、12~15%でした。同年代の男性は34~40%でした。しかし、1990年代以降に男女差が大幅に縮まり、直近では女性の四年制大学進学率は50%に達し、男性との差は数%に縮小しました。日本は、政界、実業界などで高い地位に就く女性が先進国の中で圧倒的に少なく、女性の社会進出が遅れている国とされています。
しかし、日本では年功序列が幅を利かせていることからすれば、他の先進国に後れを取っているのは、1980年代の大学進学率の男女差が反映されていると考えるべきです。ちょうどその頃に大学に進学した世代が、現在の日本で主導的な地位を占めているからです。しかし、今後は2000年以降に大学を卒業した女性が40~50代に入るので、重要な地位に就く女性が増えると考えられます。平成の日本を動かしていたのは概ね男性でしたが、未来の担い手の多くは女性になると思われます。

(2019年1月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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