適切な審査を経ずに論文を掲載し、料金を取るオンライン上の粗悪学術誌が大学界で問題になっています。ハゲタカジャーナルと呼ばれ、信頼性を疑問視されていますが投稿が後を絶たちません。見せかけの研究業績づくりに利用される恐れがあります。学術誌は、読者の購読料で運営されている伝統的な雑誌とオープンアクセス(OA)と呼ばれ、ネット上で無料で閲覧できるものがあります。OA誌は論文の投稿者が支払う掲載料が収入の柱であり、その中でも掲載料を稼ぐ目的で運営されている粗悪な媒体が、ハゲタカ誌と呼ばれています。
「論文投稿の際はハゲタカジャーナルにご注意ください」京都大学は1月中旬、学生や研究者向けに注意を呼びかけるリーフレットを作り、ホームページに掲載しています。査読をしていない論文が公表されることは、研究の健全性が損なわれる点でも非常に悪質です。
(2019年2月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)