政府は2021年3月から原則すべての病院でマイナンバーカードを健康保険証として使えるようにします。カードは制度開始から3年たっても、普及率は1割にとどまっています。マイナンバーカードで健康保険証を代用できるようになれば、カードを取得する人が増えると期待しています。政府は、マイナンバーカードの個人認証機能を行政分野に限らず、民間サービスにも広げることを目指しています。
まずはマイナンバーカードの裏面に搭載されたICチップを医療機関の窓口の読み取り機にかざします。診療報酬に関する事務を行う社会保険診療報酬支払基金から、健康保険証の情報が病院に自動送信されます。窓口で職員が情報を書き取る手間はなくなります。読み取り機のない診療所や病院には、導入資金や改修費用を補助します。電子化された健康保険証の情報と患者のレセプト(診療報酬明細書)の情報は、ひも付けることが可能です。医者は、患者の同意があれば過去の処方歴を簡単に把握できるようになります。
(2019年2月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)