インフルエンザの流行―Ⅰ

インフルエンザとは
昨シーズン、インフルエンザになった患者は、推計で2,249万人に達しました。今シーズンは上回りそうなペースです。
インフルエンザウイルスは直径1万分の1㎜ほどの大きさです。たんぱく質の殻でできており、表面はトゲに覆われています。その中にリボ核酸(RNA)という遺伝子が入っています。自分だけでは増殖できません。表面のトゲは、ヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)というたんぱく質でできています。ヘマグルチニンは、ウイルスが細胞に感染する入り口の鍵です。鍵穴にあたる細胞表面の受容体と型が合うと、ウイルスはたやすく侵入します。
ウイルスはRNAを放出します。細胞の核の中でRNAはコピーされます。併せて必要なたんぱく質が合成され、新たなウイルスができます。細胞の外へ飛び出して広がる際、ノイラミニダーゼが細胞膜を破ります。

(2019年2月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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