妊娠中に薬を使うことで、子どもに悪影響が出るのではと心配する妊婦は少なくありません。しかし、薬を使わなくても2~3%で異常のある子が生まれるベースラインリスクがあります。薬を使うかどうかは、ベースラインリスクと比べてリスクがどうかを判断する必要があります。リスクが高まる薬はわずかであり、薬を使い始める時に医師から説明を聞くことができます。例えば、明らかにリスクが高まる薬を使っていた女性が妊娠を希望している場合は、リスクの低い薬に代えることが必要になります。ベースラインリスクと変わらない薬は、持病の治療で必要なら使います。一方、風邪など症状が軽く自然に治るような病気であれば使わないこともあります。
国立成育医療センターの妊娠と薬情報センターは、妊娠中の服薬について相談を受けつけています。電話や主治医、全国の拠点病院を通じて相談をすることができます。
(2019年2月20日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)