公立病院の実態―Ⅱ

赤字拡大
公立病院は都道府県や市町村がつくり、国立や大学病院と異なります。民間病院が手がけたがらない救急や小児など不採算医療を提供したり、過疎地の医療水準を維持したりする役割があり、公費投入に意義はあります。しかし、赤字を公費で埋め続けると自治体財政が悪化し、保育や介護などの公的サービスにしわ寄せがきています。さらに非効率な医療が温存され、入院や治療を増やそうとして無駄に医療費が膨らむ恐れがあります。
地方自治体が運営する公立病院の赤字拡大が止まりません。自治体の補填を除いた本業の赤字総額は、2017年度に4,782億円となり、2012年度比で5割増えています。最終的な損失も膨らんでおり、公的負担が急増する恐れがあります。過大な公費投入は、首都圏で目立っています。2017年度の1病床あたり公費投入額の首位は、東京都の617万円と全国平均の約2倍となっています。都立8病院だけで総額400億円に達しています。

 

(2019寝4月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。