成功報酬型薬価制度とは

成功報酬型とは、欧州や米国でアウトカム・ベースやバリュー・ベースと呼ばれる薬価制度です。医療への経済的な評価を薬の評価に反映させる仕組みです。患者に効果が出れば、製薬会社が提案する薬剤費を全額支払いますが、効果がなければ支払いが不要となるか、値引きするなど弾力的に運用されます。米国では、製薬会社と保険会社がこうした契約を結び、医療現場で使う薬が増えてきています。
高額な薬剤が増え、各国の医療財政を圧迫していることが背景にあります。2018年の世界で処方された医療用医薬品の販売額は約90兆円で、2000年(32兆円)と比べ3倍近くに膨らんでいます。製造コストが高く、価格も高いバイオ医薬品の普及が薬剤費の増加につながっています。しかし、成功報酬型は製薬会社の提示する価格を効果で判断する仕組みであることより、政府が薬価を決める日本の医療制度になじみにくいものがあります。

(2019年4月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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