乳児の百日ぜき

百日ぜきは、菌を含んだせきやくしゃみなどでうつります。1~2週間の潜伏期間を経て、せきが出始めます。さらに1~2週間後、発作性のせきに変わります。短いせきが連続的に続いた後、息を吸う時に狭くなった声帯部分で笛の音のようなヒューという音が鳴ります。これを繰り返します。息をつめてせきをするため、肋骨が折れたり、眼球が内出血したりすることもあります。生後6カ月未満の乳児は百日ぜきに特徴的なせきがなく、気づきにくいうえ、重症化しやすいとされています。



昨年の国内の累計患者が1万1,190人のうち、生後6カ月未満の乳児は530人です。兄弟姉妹42%や両親31%からの感染が多くみられます。百日ぜきのワクチンは計4回定期接種します。標準では生後3~12カ月に3回、6カ月以上間隔をおいてもう1回受けます。しかし、効果は4~12年で弱まり、定期接種を受けていても感染することがあります。ワクチンの効果が切れた青年、成人から、未接種の乳児に感染し、重症化することが問題になっています。対策として、母から子に胎盤を介して抗体が移り、生まれながら免疫ができるように、アメリカやイギリス、韓国などは妊婦にワクチンを打っています。

(2019年5月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。