各地で保育士不足が深刻化しています。認可保育所や企業主導型保育所などで受け入れる子どもの数は、2013年度からの5年間で約50万人増えています。厚生労働省によれば、全国の保育士の有効求人倍率は、2014年の1.37倍から2018年は2.82倍に上昇しています。より良い待遇を求めて他の園に移る人も多くなっています。
各地の認可保育所で、保育士が一斉に退職する事態が相次いでいます。保育士不足で1人あたりの負担が重くなり、十分な保育ができないと葛藤を抱いて離職する悪循環になっています。低賃金や長時間労働も一因ですが、一斉退職にまで至るのは、組織運営に問題があるケースもあります。集団退職があった園には、行政が責任を持って介入し、抜き打ち監査に加え、労総環境や保育内容を改善するための支援をするべきです。
(2019年5月17日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)