日本の総人口は2008年以降減少に転じています。2050年ごろには1億人を割り込む見通しです。0~14歳の年少人口は、1980年代半ば以降継続して減る一方、65歳以上の老年人口は増え続けています。総務省の人口推計によれば、高齢化率は28.1%と過去最高を記録しています。
人口高齢化率とは、平均余命が相対的に短い高齢者が増えることを意味し、新たな若年人口が流入しない限り人口規模が縮小するのは必然です。2017年時点で65歳の平均寿命は男性19.6歳、女性24.4歳に対し、40歳の相当する値はそれぞれ42.1歳、47.9歳です。人口減少の重要な要因の一つに少子化があります。少子化とは、一定の死亡率の下で現在の人口規模を維持するための合計特殊出生率の水準である人口置換水準に満たない状況が継続することをいいます。
(2019年5月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)