最低賃金の引き上げ

政府はこれまで、最低賃金を3%程度引き上げる目標を掲げ、2016年度から3年連続で実行してきています。現在の最低賃金は、時給874円(全国加重平均)です。最も高い東京都の時給985円と低い鹿児島県の761円では200円以上の開きがあります。今の年3%程度のペースなら、1,000円実現は2023年度までかかります。
経済全体から見ると、最低賃金の引き上げが、消費を底上げする可能性があります。最低賃金の引き上げは、働く人にとっては大きなメリットがあります。日本商工会議所の試算によると、1,000円に引き上げられると、最低賃金で雇っている従業員1人あたりの人件費は、年間30万円近く増すため、中小企業の経営が厳しくなってしまいます。最低賃金の引き上げは、地域経済の衰退に拍車をかけるとし、全国一律の目標設定にも反対姿勢を鮮明にしています。

(2019年5月29日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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