プログラミング教育の格差

プログラミング教育は、2020年度から実施される新しい学習指導要領に盛り込まれ、小学校で必修化されます。コンピュータープログラムを意図どおりに動かす体験を通じ、論理的な思考を育むと同時に、幼い頃からプログラムの世界に触れ、ITに強い人材を育成する狙いがあります。このプログラミング教育を巡り、学校や地域間での格差拡大が懸念されています。
文部科学省の調査によれば、授業を始めていたのは全体の52.0%で、2017年度(16.1%)の約3倍になっています。特に取り組んでいないは4.5%で、2017年度の56.8%から大幅に減っています。しかし、自治体の規模に分けて見ると、市や区では71.5%が授業を実施していたのに対し、町や村などは31.9%にとどまっています。
差が開いた要因の一つとみられるのが、企業や大学など外部の支援の有無です。多くの教員はプログラミングの経験がなく、民間の力を借りなければなりません。小学校での必修化は論理的思考力を養い、プログラミングで動くコンピューターが社会を支えていることを学ぶのが狙いです。今後、自治体や学校間の格差がさらに広がる可能性もあります。地域の高等専門学校や大学に協力してもらうなど、準備を急ぐ必要があります。

(2019年5月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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