生産性向上のために

人口減少が進む日本では、効率よく働いて成果を高める労働生産性の向上の道を歩む必要があります。日本生産性本部の国際比較によれば、日本の労働生産性(就業1時間あたり付加価値)は、2017年に47.5ドルでした。2010年代以降、米国の3分の2程度の水準が続き、主要7カ国では最下位が定位置となっています。
原因の一つは、成長分野への人材再配置の遅れにあります。企業の存続と雇用の問題は切り離し、生産性の低い企業は撤退すべきです。企業の再編も既存の事業を救うためでなく、産業の入れ替えにつなげる必要があります。70歳までの就業機会の確保は少子高齢化への処方箋の一つとして評価できます。しかし、単なる雇用延長だけでは、日本全体の生産性を上げることにつながりません。

(2019年6月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。