日本の教員の勤務時間

経済協力開発機構(OECD)の発表によれば、日本の小中学校教員の勤務時間が加盟国・地域などの中で最も長いことがわかりました。小学校が週54.4時間、中学校は週56.0時間で、教育委員会への報告書作りといった事務作業や、部活動が負担になっていました。小学教員の勤務時間では、授業や採点の時間は他国と同水準でしたが、事務作業は最も長い5.2時間で、最短のフランスの0.9時間の5倍超でした。中学教員の勤務時間は参加国平均より17.7時間長く、事務作業は平均の2倍を超える5.6時間でした。課外活動(部活動など)の指導も7.5時間と、平均の1.9時間を大きく上回っていました。
しかし、職能開発(研修)に充てた時間は、小学校0.7時間、中学校0.6時間と、参加国で最短でした。また、生徒にICTを頻繁に使わせている中学教員は17.9%と、台湾に次いでワースト2位でした。教員の長時間労働が、国際的な調査で改めて裏付けられました。改善を急ぐ文部科学省は、残業時間を原則月45時間、年360時間とする指針をまとめて自治体に順守を求めているほか、学校の業務や部活動の見直しを働きかけています。

(2019年6月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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