児童福祉法と児童虐待防止法の改正

児童福祉法や児童虐待防止法などが改正され、来年4月から施行されます。相次ぐ虐待死事件の教訓から、親らがしつけと称して体罰を加えることを禁じると明記しています。一方で、民法は、親が子どもを監護及び教育に必要な範囲内で懲戒できると定めています。この懲戒権は、どんな行為なら認められるのかがはっきりせず、体罰につながるという意見もあります。今回の改正では、施行後2年をめどに懲戒権のあり方を検討するとしています。
子どもの安全確保を最優先に保護などに踏みきるため、児童相談所(児相)が介入と支援を担う職員を分けることなども盛り込まれました。これまでは同じ職員が、虐待が疑われる家庭への立ち入り調査や子どもの一時保護をする一方で、保護者を支えることもしていました。親との関係が悪くなることを気にして、迅速にためらうことなく、介入できるようになります。
全ての児相に医師と保健師を置き、常に弁護士の助言や指導を受けられる体制を整えます。児相が2017年度に対応した数は、13万3千件を超え、虐待は増え続けています。現場の人手不足は深刻で、虐待の連絡を受けてから48時間以内に安全を確認するルールも守られていません。

 

(2019年6月20日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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