生命予後の悪化
小児・AYAがんサバイバーの生命予後は、対照集団と比べ著しく低下します。心血管系と骨での作用が重要です。女性の閉経年齢は平均50歳ですが、早発卵巣不全となった女性は、将来の心血管系疾患(冠動脈疾患)の発生頻度が約2倍高くなります。また、エストロゲン低下により骨量が減少し、骨粗しょう症になり、著しく活動性が制限されることになってしまいます。
長期的に生命予後を規定するのは原疾患の再発ではなく、二次がんや心血管系疾患です。がん治療の後遺症である、内分泌異常を基盤とした生活習慣病(脂質異常、動脈硬化、肥満、糖尿病など)の発症を予防する事が大切となります。
(Oncofertility Consortium JAPAN News Letter 2019年6月20日発行)
(吉村 やすのり)