社外取締役に占める女性の割合が急上昇しています。2019年の東京証券取引所1部上場企業では14.5%と前年比2.9ポイント増加しています。生え抜きの社内取締役に先行する形で、社外の女性の視点を経営に取り入れる動きが広がっています。女性の社以外取締役の在任数は890人であり、前年比36%増です。
東証は昨年改定したガバナンス・コードの中で、取締役会のメンバーについてジェンダーや国際性の多様性を確保するよう求めています。しかし、女性の取締役比率が3割前後の欧米企業と比べると、日本は遅れています。生え抜きが主体の社内取締役の女性は221人とわずかです。社外と合わせた取締役全体に占める女性比率は、5.7%にとどまっています。社内取締役は女性のリーダーが十分に育っておらず、社外が先行するのは自然な流れです。女性を取締役会メンバーに入れていないのは、株主・投資家から奇異に映るとトップが考え始めています。
(2019年8月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)