MaaSとは

移動手段のサービス化を表すモビリティー・アズ・ア・サービスの頭文字をとった略語です。ライドシェアやカーシェアなど個別のサービスが先駆けです。クルマを持たなくても鉄道などの公共交通、ライドシェア、レンタル自転車など様々な移動手段をアプリで一括して検索、予約、決済できるサービスの開発も進んでいます。海外では、一定区間を月額で乗り放題とする定額制や、需給に応じて価格を変えるダイナミックプライシングなど、柔軟な料金体系が利用できる場合もあります。日本では運賃が認可制で、弾力的に変更することが難しくなっています。

次世代の移動サービスであるMaaSが世界で急拡大しています。シンガポールやフィンランドなど先行する国は、企業が動きやすいようにルールを柔軟に変え、データの活用を都市計画に組み込んでいます。日本でも各地で実証実験が広がっていますが、制度の壁はなお高いものがあります。交通インフラを国や自治体が保有し、運営を企業に委託する欧州と、鉄道を運営する企業がインフラも保有する日本とでは事情が異なっています。しかし、日本でも政府が司令塔となりMaaSを浸透させれば、高齢化と過疎化が進む地方で住民の移動が難しくなるといった課題の解も見えてきます。

(2019年8月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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