肺がんの死亡数は過去20年以上1位です。治療の難しさを示していますが、近年、その進歩には著しいものがあります。肺がんの約9割は非小細胞肺がんが占めています。非小細胞肺がんの場合、早期の1~2期では手術が選択されますが、3期以降は薬物による治療が中心となります。4種類の肺がんに関係する遺伝子変異を調べる機器であるオンコマインが、非小細胞肺がんの治療方針決定に使われます。
がんの原因となる遺伝子変異を調べて有効な薬を選ぶ治療法は、肺がん領域で進歩しています。現在は複数の原因遺伝子とその治療薬が分かっています。しかし、薬を見つけるためにはこれまで患者から検体を採って調べる必要があり、時間もかかりました。オンコマインは一検体から、EGFRなど計4種の遺伝子変異を見つけられます。一つの検体で複数の遺伝子変異が調べられれば、今後新しい遺伝子変異が見つかった場合にも対応できます。
(2019年10月2日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)