世界保健機関(WHO)は、2018年に意図しない妊娠のリスクを抱えた全ての女性は緊急避妊薬にアクセスする権利があると勧告しています。緊急避妊薬を購入できるのは欧米を中心に80カ国を超えています。安価で売られ、無料で配っている国もあります。一方、国内では公的保険の対象外で、2011年に承認されたノルレボの販売価格は1錠で1万5千~2万円程度でした。2019年3月に国産ジェネリック医薬品(後発薬)が登場し、おおむね半額程度になっています。
日本家族計画協会が、2016年に男女約1,200人から回答を得たアンケート調査によれば、緊急避妊薬などの避妊法を聞いたことがあるのは、全体の45.5%で半数を割っています。性について相談できる窓口が少なく、思い悩んだまま中絶手術を繰り返してしまう女性も少なくありません。日本家族計画協会は、9月上旬に緊急避妊薬の速やかな入手をサポートするため、処方する医療機関の検索サイトを開設しています。緊急避妊薬は服用が早いほど高価が見込めます。
(2019年10月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)