2019年6月時点で、同性婚は27の国・地域で合法化されています。2001年のオランダを契機にベルギーやスペインなど人権意識が強い欧州で多くなっています。イスラム教国が多い中東に加えアフリカ諸国は、同性婚をほとんど認めていません。
アジアでは5月に台湾が初めて認めました。中国や韓国、東南アジア諸国では法制化していません。日本では、渋谷区や豊島区など20程度の自治体が、認める条例をつくり、パートナーシップ証明を発行していますが、法的な裏付けはありません。同性婚を認めるべきか否かは、夫婦別姓や事実婚を認めると同様、わが国の家族の在り方の根幹に関わる問題であり、慎重に議論は進めるべきです。しかし、優秀な人材がLGBTQの場合、法整備がされた国・地域に移り住んでしまうとの懸念もあります。経済界の方が政府よりも危機意識は高くなっています。
(2019年10月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)