厚生労働省は、妊婦が受診した際の追加料金である妊婦加算を廃止する方針を固めました。2018年4月に、妊婦や胎児に配慮した丁寧な診療が必要として、政府が決める医療サービスの価格である診療報酬に妊婦加算を導入しました。しかし、歯科を除く全診療で自動的に加算される仕組みだったため批判が高まり、2019年1月から凍結していました。
厚生労働省が検討する新たな仕組みは、妊婦かどうかにかかわらず、患者を継続的に診ている医療機関が本人の同意を得た上で、治療の留意点や検査結果などの情報を専門的な診療をする他の医療機関に提供した場合などに、提供元に診療報酬を加算します。診療報酬の一部は患者が負担するため、患者には追加料金がかかるが、金額は検討中です。妊婦が適切な診察を受けられるように、①母子手帳を渡す際、妊婦の診療に積極的な医療機関を知らせる、②産科・産婦人科以外の医師に研修を実施なども進めます。
(2019年12月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)