厚生労働省と財務省は、勤務医による長時間労働を改善させる狙いで、救急車の受け入れ回数が年1千件以上の大病院や緊急医療施設を対象に報酬を従来より手厚くする方針です。2017年度に年1千件以上の救急車を受け入れた病院は全国で約1,400あり、病院の15%程度を占めています。件数が多いほど長時間労働の勤務医が増える傾向にあります。
報酬の増額分を原資に新たに医師を確保し、仕事を分担する看護師や補助者らを雇えるようになります。勤務医の激務を緩和することで、医療の安全性を高める対策を促します。厚生労働省は必要な診療報酬の改定率として、約0.3%相当を財務省に求めています。国費や患者負担、保険料などを合わせた医療費ベースでみると、1,600億円程度の増額になります。
(2019年12月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)