慢性化しやすいウイルス性肝炎のB型、C型には医療費の助成制度があります。肝炎は、ウイルスへの感染が原因で起きる肝臓の炎症です。放置すると慢性肝炎から肝硬変、肝がんに進行する恐れがあります。肝炎はA~E型が知られています。国内のB型、C型の患者には、子どもの頃に受けた集団予防接種や輸血、血液製剤の投与など医療行為で感染した人たちも含まれています。
国の責任を認めた最高裁判決(2006年)を受けて、患者全員の救済が目的の肝炎対策基本法が、2009年に成立しました。医療費助成の対象は、B型はウイルスの増殖を抑える核酸アナログ製剤による治療、C型は新しい飲み薬による治療が主流です。
新しい飲み薬は副作用が少なく、治療効果はほぼ100%とされています。その一方、医療費が計数百万円にのぼるものもあります。助成制度があるため、自己負担は原則月1万円です。市町村民税で、所得に応じて課税される所得割が一定以上だと月2万円になります。
(2019年12月19日 読売新聞)
(吉村 やすのり)