厚生労働省は、がんと難病の患者を対象に、すべての遺伝情報を網羅的に調べる全ゲノム解析の実行計画を公表しています。3年程度で最大10万人超の患者を目標に解析を進めます。データベースを構築し、企業の創薬などに活用できるようにします。英国をはじめ欧米各国が全ゲノム解析に本腰を入れており、日本も、国際競争のなかで効果の高い治療方法の開発につなげていきます。
数値目標は、これまでの研究を通じてすでに検体を提供した患者の人数も含めている。がんは6万4千人分、難病は2万8千人分だ。さらに新たに検体を提供する患者が年に1万人程度いるとみており、最大で10万人超に達します。検体の数にすると20万体超になります。
日本で大規模な全ゲノム解析をするのは初めてです。がんや難病は遺伝子の変異によって発症しますが、地域や民族の違いで傾向が異なります。解析が進めば日本人に効果的な治療方法の開発につながる可能性が広がります。
(2019年12月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)