2018年末時点の国内の医師数は32万7,210人で、2年前の前回調査から7,730人(2.4%)増えています。女性は7万1,758人で前回調査から4,265人(6.3%)増え、全体の21.9%を占めています。診療科による偏りが大きくなっています。外科や救急科は男性が9割近くを占めており、急患や宿直など勤務が不規則な診療科で働くことを女性が選択しにくい状況が背景にあります。
病院で働く医師が自主申告した主な診療科ごとに女性の割合をみると、内科では女性が20.0%だったのに対し、外科は7.1%と大きな差があります。女性が多い診療科は皮膚科の54.8%、産婦人科44.5%、眼科42.4%、麻酔科40.9%です。女性が少ないのは外科のほか整形外科と心臓血管外科がいずれも6.2%、脳神経外科6.5%、救急科14.9%などです。緊急手術など急な呼び出しがあったり、宿直があったりするなど勤務が不規則で、長時間労働が常態化しやすい診療科で女性が少ない傾向があります。
今回の統計では都道府県別の人口10万人当たりの医師数は、徳島県が329.5人と最多で、京都府323.3人、高知県316.9人と続いています。最も少ないのは埼玉県の169.8人で、地域によって約2倍の開きがあります。
(2019年12月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)