男性育休取得のチャンス

厚生労働省の調査によれば、男性の育休取得率は6.16%ですが、2年前の3.16%から一気に増えてきています。会社の空気が変わりつつある現在、男性が育休を取るチャンスです。男性が育休を取得するチャンスは3回あります。まずは出産前後で目安は1週間です。妻の出産入院中にあたります。出産に立ち会った後に休みを取れば、子育てを一緒にスタートでき、ママの負担を減らすことができます。
2回目のチャンスは母子の退院後です。出産前後だけと考えると数日のみとなりがちです。産後落ち着くまでを念頭に、1カ月の取得が望ましいと思われます。初産だと慣れないことも多く、ストレスもたまります。母親が産後うつになるリスクもあり、1カ月ほどは誰かが寄り添えると理想的です。第3回目のチャンスは妻の復職時です。保育園通いが始まればすぐ会社に戻れると考えがちですが、なかなか上手くいきません。最初の1週間は慣らし保育のため預かりは半日ほどです。体調を崩して数日休む例もあります。園に慣れるまで1カ月はかかると思っておくことが大切です。ママが保育園対応と仕事復帰の2つの課題と向き合うさなかに、パパが1カ月休めたら大きな助けになります。
育休開始から6カ月間は休業前の賃金の67%をもらうことができるうえ、非課税なので所得税・住民税は引かれません。厚生年金保険料等の支払いも免除されるので、育休開始から6カ月間の収入は休み前の手取りに近い額になります。しかし、育児休業給付金は1カ月単位を想定しているので、20日以上の取得が理想です。月に10日以上働くと支給されません。対象は雇用保険に加入している人だけです。

(2020年1月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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