予防接種は公費で助成するため自己負担はありませんが、再接種は想定しておらず助成の対象外となっています。白血病やがんなどで抗がん剤治療や、造血幹細胞移植の影響で、免疫がなくなってしまう場合があります。治療の結果、過去の予防接種で得た免疫は消えるか、働きが大きく弱まってしまいます。
抗がん剤の影響で免疫が弱まった子どもが、受け直す予防接種の助成を求める声が上がっています。厚生労働省の調査によれば、再接種の費用の全額または一部を助成している自治体数は、2018年7月1日時点で89市区町村でしたが、現在はさらに増えています。再接種が必要になる子どもは一定数いるうえ、個人では費用の負担が重くなっています。自治体ごとの対応は少しずつ広がっていますが、国は一律の助成の基準を示すなどの対応をすることが必要です。
(2020年3月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)