国立がん研究センターの発表によれば、2003~2006年にがんと診断された人の10年後の生存率は、がん全体で57.2%でした。昨年の集計に比べて0.8ポイント上昇しています。特定のがん細胞を狙い撃ちする分子標的薬の登場や、早期発見につながる診断技術の進歩が貢献していると考えられます。
部位別で生存率が高かったのは、前立腺がんの97.8%、乳がんの85.9%、甲状腺がんの84.1%です。最も低かったのは、膵臓がんの5.3%、肝臓がんの15.6%、胆のう胆道がんの18%が続いています。また2009~2011年にがんと診断された約14万3千人の5年生存率は、がん全体で68.4%で、前年集計よりも0.5ポイント高くなっています。
(2020年3月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)