東京23区と首都圏の政令指定都市の7割超で、4月の認可保育所への入所希望者の募集枠に対する倍率が、2019年に比べ低下しています。各区市が募集枠を増やしたことが奏功しています。募集枠を集計していない千葉市を除く27自治体のうち、20区市で倍率が低下しています。
全体的な倍率の低下は近い将来、保育施設が供給過剰となる可能性も示しています。2000年4月の倍率が1.23倍と保活の厳しさが続く川崎市でも、高年齢児に限ると4歳児(0.53倍)や、5歳児(0.13倍)は大幅な定員割れとなっています。低年齢児を中心に受け皿の不足は当面続くとみられる一方、自治体には将来の供給過剰を見据えた長期的視野も必要となってきます。
(2020年3月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)