大都市周辺では、通勤時間が往復で1時間半を超えることも珍しくありません。首都圏に住む会社員の理想の通勤時間は58分であり、現実との差は大きくなっています。見知らぬ人と押し合いへし合いして、心も体も疲れ果てることから、痛勤と呼ばれるようになっています。通勤のストレスがなくなれば、仕事の生産性向上につながりそうです。
総務省の調査によれば、2018年のテレワーク導入企業は19%です。2013年に比べ2倍に高まっています。最近は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて関心は急速に高まっており、今後はさらに広がりそうです。テレワークを支えるのが情報技術の進化です。サーバー上にあるソフトウェアを必要に応じて使うクラウド技術や、テレビ会議システムが普及してきています。スマートフォンの機能もこの数年で大幅に高まってきています。テレワークの大規模な実施は、新型コロナウイルスが発生した今回が初めてという企業も多くなっています。
(2020年4月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)