新型コロナウイルスの感染拡大を受け国内でテレワークが急速に広がっています。普段顔を合わさない社員同士でも自然とコミュニケーションが生まれてくる可能性も増えます。しかし、急なテレワーク導入に戸惑う職場は少なくありません。エン・ジャパンの中小企業を対象とした調査によれば、テレワークの導入で難しかったことは、社員の時間管理が68%と最多となっています。このほか利用条件の設定や社員への指導・業績評価、コミュニケーションロスが上位を占めています。上司や同僚がいない在宅勤務は、自分を律して仕事に集中することが難しいと思われます。テレワークは業務過程が見えにくいこともあり、これまでの曖昧な総合評価から、職務責任を問う評価に変わることが予想されます。
一方でメリットもあり、導入して良かったことは、通勤困難の社員が継続して働けるが40%で首位です。次いで業務効率の向上の36%、多様性のある働き方を選べるが30%と続いています。IT企業ではテレワークが既に普及しています。エンジニアなどは同僚とチャットでコミュニケーションする習慣が定着しており、これを一歩進めることも生産性の向上につながります。
(2020年4月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)