出勤時間帯の人口減

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府が緊急事態宣言を全国に拡大されてから、各地で朝の通勤時間帯の人出が平時よりも減っています。しかし、携帯電話の位置情報分析によれば、札幌や名古屋などの地方都市では、人の移動の減少幅が3~4割と、東京の6割弱と比べて小ぶりにとどまっています。逆に中小企業が集まる地域では一部で人出が増えています。社会生活上、稼働が不可欠な一方、在宅勤務が難しい業種もあります。
大きな理由は、在宅勤務の徹底の難しさにあります。在宅人員を増やすため事務作業の電子化も急務ですが、費用負担が壁になっています。経済不安から休業できない中小企業もあります。休業補償がないと、感染拡大を防ぐための移動抑制にはつながらないと思われます。政府は、20日に中小企業に最大200万円を給付するなどの補正予算案を決定しました。東京都も1.5兆円規模の融資枠確保に動いています。各自治体がどこまで人出抑制を後押しできるかが今後の課題です。

(2020年4月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。