首都圏の合計特殊出生率

東京の2019年合計特殊出生率は、前年に比べて0.05ポイント低い1.15で全国最低です。神奈川県は0.05ポイント低下の1.28、千葉県が0.06ポイント低下の1.28、埼玉県も0.07ポイント低下の1.27でした。出生数は1都3県すべてで2018年を下回り、合計で5%減の約25万3千人でした。1都3県での少子化の原因の一つとみられるのが、女性の初婚年齢が全国平均(29.6歳)に比べてやや高いことです。30歳代だったのは、都道府県で東京の30.5歳、神奈川の30.0歳だけでした。
首都圏の自治体は出産や子育ての支援体制を拡充していますが、少子化に歯止めを掛けるには至っていません。新型コロナウイルスの影響で経済活動や社会生活が制限され、出産や子育てへの不安が高まっています。東京都は助産師との対面相談を希望する妊産婦のため、ウェブ会議システムを利用したオンライン相談を始めています。妊産婦の不安を和らげ、安心して出産できる環境を整えなければなりません。

(2020年6月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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