新型コロナウイルスの感染拡大で、感染が怖い、外出自粛をしたなどを理由に、子どもの予防接種を延期することが多くなっています。NPO法人「VPDを知って、子どもを守ろうの会」の調査によれば、延期した子どもは33%に達しています。『予防接種は不要不急でない』との情報が、保護者に十分に届いていないことが大きな問題です。
外出を自粛していた期間中に予防接種を予定していた人のうち接種したのは67%でした。一方、延期したが接種したが17%、延期してまだ接種していないが16%と、合わせて3割以上が延期していました。延期の理由は、コロナウイルスの感染が怖かったが68%と最も多く、緊急事態宣言後、外出自粛をしていたが49%、接種時期が多少遅れても問題ないと思ったが43%、医療機関に負担をかけたくなかったが39%と続いています。
一般の診療と予防接種の時間帯を分けるなど、小児科は安全対策を取っています。先延ばしするうちに、病気が流行する恐れもあるので、延期することなく接種することが大切です。
(2020年7月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)