新型コロナウイルス感染拡大を契機に、オフィスのあり方が変わってきています。在宅勤務の普及が進み、企業がコスト削減も見込んで都心のオフィス面積を減らしています。郊外や地方に分散する動きも出てきています。新型コロナで従業員の9割前後がテレワークを実施し、業務に支障がないことが確認できたとして、オフィス業務の見直しに着手する企業が増えています。
東京都心5区の千代田、中央、港、新宿、渋谷のオフィス空室率は、今年2月に1.49%まで下がり、単月のデータがある2002年以降の過去最低を更新しました。コロナ禍前は空前の活況でした。しかし、春以降の空室率は上昇しています。リーマン・ショック後は、2012年6月に9.43%まで上がっていましたが、6月末時点のオフィス平均空室率は、前月比0.33ポイント上昇の1.97%と、上昇幅は2010年2月以来、10年4カ月ぶりの高水準になっています。
(2020年7月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)