多胎児の授乳

日本産前産後ケア・子育て支援学会の調査によれば、1歳未満の双子や三つ子といった多胎児の母親の計88.4%が、頻繁な授乳をストレスと感じていることが明らかになりました。粉ミルクに比べて準備が楽な液体ミルクを2週間使うと、74.2%が気持ちに余裕があると回答しています。母乳と液体ミルクの組み合わせにより、負担が軽くなる効果が得られています。
液体ミルクは粉ミルクと異なり、湯で溶かして冷ます過程が不要で、国内での製造、販売が昨春より始まっています。育児に対して気持ちに余裕があると答えた人は、液体ミルクを使う前では47.4%、使用してからは74.2%に増えています。液体ミルクを使うと母親以外で子どもに授乳する人の割合が増えています。液体ミルクは、断水していても乳児に与えることができます。このため、地震や豪雨といった災害が発生した時の利用に関しても注目が集まっていますが、災害時のみならず、平常の育児においても諸外国のように液体ミルクの普及が望まれます。

(2020年7月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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