COVID-19の感染リスクを下げるためには、種々の予防策に加え、自己免疫の維持・強化が欠かせません。ストレスは不眠や免疫機能の低下を招きますが、そもそも免疫機能と睡眠には密接な関係があります。ウイルス感染が起こると、睡眠制限物質(IL-1、TNF、PGD2)が上昇し、ノンレム睡眠が促進されます。このノンレム睡眠は免疫恒常性を回復するのに役立ち、さらに生体防御および免疫形成を強化します。しかし感染がさらに悪化すると、このシステムは破綻し不眠を生じる結果になります。
COVID-19の影響下の生活では、睡眠を悪化せる①不規則な生活リズム、②心理的ストレス、③依存物質の過剰摂取などが生じます。朝の起床時間を一定にし、起床後は窓を開けて朝陽を浴び、朝食を摂るなど、生活のリズムを整えることが大切です。そして、心理ストレスを軽減させることが必要になります。酒やタバコ、コーヒーなどは、不眠の原因になるだけでなく、抑うつ、不安、動悸、イライラの原因になります。過剰摂取しないようにすることも大切です。
(よぼう医学 2020 summer №9)
(吉村 やすのり)