新型コロナウイルス感染の唾液検査

新型コロナウイルス感染の有無を、唾液などから簡易に調べるPCR検査機器の開発が相次いでいます。しかし、精度に不安があるとして、一部の感染症の専門家や医師が利用に慎重なため、検査件数が伸びていません。通常は医療の専門家が、鼻の奥に長い綿棒を押し込み粘膜をとります。唾液を使えば、専門家でなくても自分で自宅で検体を採取できます。厚生労働省は、6月に唾液で検体を採取するPCR検査を保険適用とすることを認めています。
タカラバイオや島津製作所は、鼻の奥だけでなく唾液にも使える検査用の試薬を開発しています。手間がかかるとされてきた検査を簡易にさせる動きが相次ぐ一方で、国内のPCR検査数は伸び悩んでいます。PCR検査の精度は高くて70%ですが、唾液検査の精度はもっと低いのではないかとされています。検査強化が必ずしも感染拡大の防止につながるとは思えませんが、簡易に唾液によるPCR検査の活用は、医療者側の手間が省け意義深いと思われます。

(2020年8月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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